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「歌」に頭を打ちぬかれた

学生時代、初めて野外フェスに行った。

神戸でやってたフェスで、その頃人気のあったロックバンドがいろいろ出ていた。

会場は若い人がたくさんいて、なんかすごい熱気だった。

自分はそんな人だかりには近づけないので、少し、後ろの方で座って聴いていた。

 

屋外で生演奏をするバンドを見て、カッコいいなと思った。

ただ、演奏の方はほとんどのバンドが楽器に声が負けている感じがして、ボーカルがあまり聴こえないな~というのが正直な感想だった。

ちょっと聴いている位置の関係だったのかもしれないけど、実際、テレビで歌っている人たちの声量ってどれぐらいなんだろう?

CDではいくらでも調整できるけど、生演奏となるとそうもいかないんだろうね。

 

で、途中でシークレットゲストでCoccoさんが出演した。

当時、活動休止中だったので、出てきたときに本当にびっくりした。

その時歌ったのが、Heaven's hellって曲で、ギター1本で弾き語りをしていた。

自分はそれまで座って聴いていたけど、その曲が始まると、思わず立ち上がってしまった。

冗談ではなく、本当に頭を打ちぬかれた感覚を受けた。

それまでのバンドはボーカルは曲を構成する楽器の一部って感じだったけど、これは本当に歌だった。

歌詞も、メロディも、声も、そして一生懸命歌うその姿も、すべてが自分に突き刺さった。

気が付いたら、目頭が熱くなっていた。

周りを見てみると、みんなそんな感じだった、それまでノリノリで聴いていた人たちも目を潤ませながら、じっと「歌」に聞き惚れていた。

 

あまりライブとかに行くことはないけど、生歌を聴いて感動したのはあれ1回きりだった。

でも、本当に歌は人の心を動かすことができるというのを体感した日だった。